SEGES「つくる緑」認定ラベル

EExcellent Plan

杉並区浜田山4丁目計画 〈グランリビオ浜田山〉

GRAND LIVIO HAMADAYAMA  ◇東京都杉並区浜田山4丁目992-35,36 ◇事業主体:日鉄興和不動産株式会社/東京建物株式会社/安田不動産株式会社  ◇設計:株式会社自由建築設計事務所  ◇施工:株式会社淺沼組 ◇デザイン監修:有限会社船田アーキテクツ  ◇ランドスケープ監修:住友林業緑化株式会社 ◇敷地面積:4829.91㎡ ◇緑地面積:651.00㎡

周辺住宅街と調和した、自然・地域とつながる緑地の創出

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 本計画は、杉並区浜田山の閑静な住宅街において、アフターコロナに適う「次世代都市邸宅」をコンセプトとした敷地面積約5,000㎡、地上3階/地下1階の集合住宅の建替事業です。
計画地は、元々企業の社員寮があり、40年以上使われていました。周辺は、善福寺川沿いには、善福寺緑地や和田堀公園等のまとまった樹林地、和田堀池には水生植物の生育する池があります。加えて、和田堀区縁の東側の済美山自然公園、神田川周辺の三井の森公園、塚山公園には、クヌギ-コナラ群集が残っています。
 これら地域の自然資源との共存を目指し、「現代の庭屋一如※」をコンセプトに、住まう人、環境、社会がうれしい緑地環境を創出しました。
 [※庭屋一如(ていおくいちにょ):庭と建物が融合すること、人と自然界が一緒でありたいと思う日本人の心情から生まれた言葉。]

 緑地空間の創出には、「豊かな時間、癒しを感じる光景、佇む場、穏やかな住空間」による①心地よい暮らし方、「生きものに配慮した在来種植栽、まとまった緑地、季節が見える植栽」による②自然とのつながり、「連続した緑の創出、地域との景観調和、ブランド」による③地域とのつながりを提案しています。
 一つ目「心地よい暮らし方」については、敷地全体で高木を76本植栽するともに、高木とパーゴラの緑陰で快適な空間の中庭を計画しました。また、マンション居住者が自然を感じるバリアフリーの中庭、高木下の緑陰の憩い・アフターラウンジを創出しています。
 二つ目の「自然とのつながり」については、周辺に分布する樹林や河川沿いの草地から、野鳥やチョウの飛来が期待できるため、敷地内では、生物多様性に配慮した植栽を計画しました。高中木、低木、地被は、潜在植生のシラカシ群集、代償植生のクヌギ-コナラ群集の構成種から植栽候補種を絞り込み、生きものの誘因が期待できる種を植栽推奨種として、選定しました。また、敷地内に動物の生息場となる巣箱、バードバス、エコスタックを設置する予定です。
 三つ目の「地域とのつながり」については、外周の接道部は全て提供歩道部分のセットバック、移植高木の配置のほか、入居説明会において住民に対するガーデンツアーの実施、モデルルームに環境認証コーナーを設け、環境や生物多様性に対する配慮の周知を検討しています。
 SEGES評価・認定委員会では、「庭屋一如」をキーワードとした建築と庭、地域自然との共生を目指した緑地空間を創出し、外周部のセットバックによる周辺環境の向上、既存樹木移植による緑量確保等、当該地域の有する地域価値の維持向上に努めている点を評価し、社会・環境貢献緑地に認定しました。

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