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2008.4.16更新

都市緑化推進セミナー2008

都市緑化推進セミナー 2008

共催:国土交通省 (財)都市緑化基金


 SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)が目指すのは、市民・企業・行政が共に責任を持ち、安心安全な楽しい緑のまちづくりです。企業がその自主的な取り組みとして、社会・環境に貢献する緑地づくりを目指しているなかで、行政等も、市民・企業の力を取り込み新たな緑のまちづくりを目指し、様々な取り組みを試みています。
 SEGES事務局であります(財)都市緑化基金では、こうした行政等の取り組みを後押しするために、都市緑化推進セミナーを開催いたしました。

→セミナー報告 →セミナーアンケート結果

会場
大阪会場:2008年 3月 14日(木)
大阪マーチャンダイズ・マート
東京会場:2008年 3月 14日(金)
東京グリーンパレス

開催日・プログラム・会場

【共 催】 国土交通省 (財)都市緑化基金
【開催日・会場】 大阪会場:2008年3月13日(木)
大阪マーチャンダイズ・マート2F 会議室3号
東京会場:2008年3月14日(金)
東京グリーンパレス B1ばらの間
【参加人員】

各会場50名程度(合計100名程度)先着順

【参 加 費】 無料

【プログラム】

 

13:00 挨 拶 

●野村 亘 〔国土交通省 都市・地域整備局 公園緑地課 緑地環境推進室 緑化推進係長〕

13:15 報 告

「人づくりから始まる緑行政の展開に向けてアンケート調査から見る現状と課題」
●上野 芳裕 〔財団法人 都市緑化基金〕

13:45 事例報告

「ガーデニングサポーター養成事業から始まった公園管理者の新たな事業展開」
大阪会場:
●大野 行男 氏 〔(財)栃木県民公園福祉協会 課長〕
東京会場:
●藤田 昌司 氏 〔(財)栃木県民公園福祉協会 主任〕

14:30 休憩(10分)
14:40 基調講演

「緑の力の“体感”から始まるパラダイムシフト」

●甲斐 徹郎 氏
〔グリーンチェーン推進ネットワーク事務局長〕

16:10 連絡
「連携による緑のまちづくりモデル事業について」
16:30 終了


セミナー報告

開会挨拶

 野村 亘 〔国土交通省 都市・地域整備局 公園緑地課 緑地環境推進室 緑化推進係長〕

 

 開会にあたって共催者を代表し、国土交通省・都市・地域整備局 野村係長よりご挨拶いただきました。地球温暖化対策、生物多様性等の国家戦略の策定など国の緑化・環境施策に関連する動き、市民・企業・行政の協働による緑のまちづくりの推進の重要性、及び、その一助となることを目指した本セミナーの位置づけについて説明いただきました。
挨拶:野村氏


報告:「人づくりから始まる緑行政の展開にむけてアンケート調査から見る現状と課題」

 上野 芳裕 〔財団法人 都市緑化基金〕

報告1上野氏
↓川崎市公園緑地協会 佐久間氏による事例解説
事例報告1大野氏
挨拶:野村氏

 セミナーに先立って実施した「緑行政における人材育成事業の実態把握に関するアンケート調査」は805団体を対象とし、532件の回答を得ました。人材育成に対する必要性を感じつつ、実施への取り組みへの悩みや現状、具体的な設問への回答から見えてくるもの、緑行政に求められる新たな役割や課題などを報告しました。また、アンケート調査から抽出された、先進的な取組み(川崎市公園緑地協会、兵庫県神戸市、大阪府豊中市、千葉県松戸市)について資料をもとに紹介するとともに、当日来場していた担当者から直接発言いただき、取り組み状況や成果と課題についてお話いただきました。
このアンケートの詳しい内容についてお知りになりたい方は(財)都市緑化基金へお問い合わせください。


事例報告:「ガーデニングサポーター養成事業から始まった公園管理者の新たな事業展開」

 ↓【大阪会場】大野 行男 氏 〔(財)栃木県民公園福祉協会 課長〕事例報告:大野氏

 ↓【東京会場】藤田 昌司 氏 〔(財)栃木県民公園福祉協会 主任〕
事例報告:藤田氏

     
 (財)栃木県民公園福祉協会 では、指定管理者制度の導入等社会制度の変化や市民ニーズの変化に対応するために、職員自らをコーディネーターとしてレベルアップさせ、ガーデニングサポーター(緑化リーダー)を育成する取り組みをはじめました。今回はこの「ガーデニングサポーター養成事業」の取り組みについて、背景からそのプログラムとこれまでの2年間にわたる実施内容を、講演者自らの実体験を通して、苦労や試行錯誤をしたこと、成功したポイント、反省点などを含めてご紹介いただきました。
 また、本セミナーの発表は、コーディネーター育成プログラムの総まとめとしての位置づけもあり、大阪会場での発表は大野行男課長、東京会場での発表は藤田昌司主任によって行なわれました。

ガーデニングサポーター


基調講演:「緑の力の“体感”から始まるパラダイムシフト」

 甲斐 徹郎 氏 〔グリーンチェーン推進ネットワーク事務局長〕

*

 講師の甲斐徹郎氏は、住まいづくりに留まらず、「個」と「個」の関係性を連鎖させることによる、緑豊かな街づくりを目指す「グリーンチェーン推進ネットワーク」の事務局長を務める傍ら、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科にて非常勤講師も勤められています。また、環境をテーマとしたコーポラティブハウスのコーディネートを通じ、“個人の得”に重きを置きつつ、環境共生社会の実現を目指しておられます。あくまでも「個人の得」を目的に、「自然環境」と「コミュニティ」とを手段として使いこなす手法として「環境共生」を位置づけるというマーケティングの視点から、環境共生型コーポラティブ住宅の企画・コーディネイトをされています。

*


 不便だが豊かだった「依存型共生」の時代から、コンクリート住宅が普及する前と後の沖縄の写真などを用いて、便利だが豊かでない「自立型孤立」の現代を解説。また世田谷のコーポラティブ住宅「欅ハウス」の映像を例にとって、便利さと豊かさを同時に追求する、これから目指すべき「自立型共生」のかたちを紹介していただきました。
 暑さ寒さのなかで快適に過ごすには、体感温度を意識することが重要。例えば、さわってみると机の足の鉄部分は冷たく、資料の紙は冷たくないと感じるが、実測温度は同じであることを、実験で体感。また、夏の暑いベランダを疑似体験する装置を用い実験、太陽により暖められた熱いスダレの温度を測りながら、霧吹きで水をたっぷり吹きかけると、みるみる温度は下がることを目の当たりにしました。濡れたスダレを通すと暑さを感じないが、水が乾けばまた熱くなる。この水を含んだスダレの代わりをするのが自動的に水を吸い上げて蒸散し湿っている状態を保つ、植物を使った緑のカーテンなのだということがわかりました。
 同じ28℃の家でも、輻射熱を防いでいるか、風は通るかなどで、体感する快適さは変わってくる。個々が快適さを追求して家の周りに緑を配していくと、今度はお互いが緑でつながって行き、豊かさの連鎖を起こしていくことができるのです。

甲斐氏講演
↑デジタル非接触温度計で測る。手のひらは31℃、机の鉄の脚は24℃、資料の紙も24℃。
甲斐氏講演
↑スダレ越しの夏の太陽は・・・。
甲斐氏講演緑が連続する町並み空調装置としての緑環境




セミナー アンケート結果

 本セミナーの成果と課題を把握するために、セミナー参加者を対象に、会場ごとにアンケート調査を実施したところ、大阪会場で41名、東京会場で53名の方々に回答いだだきました。内容の一部を抜粋して報告いたします。


(1)報告:「人づくりから始まる緑行政の展開に向けてアンケート調査から見る現状と課題」についての感想。
グラフ1


(2)事例報告:「ガーデニングサポーター養成事業から始まった公園管理者の新たな事業展開」について。
 

  A.感想

グラフ2

 B.今後、同様の人材育成事業への取組みを試みるか。

 

グラフ3


(3)基調講演「緑の力の“体感”から始まるパラダイムシフト」について。  

  A.感想

グラフ4

 B.基調講演を聞いてどのように活かしたいか、あるいは活かせるか(回答の一部)

 

回答

(4)セミナー全体について

グラフ5


まとめ

 

 プログラムの全体をとおして、参加者から高い評価を得ることができました。
 「人材育成事業に関するアンケート調査の結果報告」については、アンケート調査の結果をセミナー参加者と共有できたことは大きな成果でした。人材育成という個別のプログラムに関しての実施状況を把握するデータがこれまでになかったこともあり、全国的な傾向を知ることができたことは、参加者にとって刺激となったようです。
 「ガーデニングサポーター養成事業から始まった公園管理者の新たな事業展開」では、取組みの必要を感じながら具体的な検討ができていなかった団体にとっては大変良い参考となり、また既に取組んでいる団体にとっては、苦労した点などについて共感できるものがあったようです。また、コーディネーター育成プログラムの総仕上げとして、今回の発表を位置づけ、多くの同じような立場の人たちの前で披露することは、参加者にとっても有益で、コーディネーターとしても大きく成長させる結果とりました。
 基調講演の「緑の力の“体感”からはじまるパラダイムシフト」については、アンケート調査からも分るとおり、参加者からは高い評価を得ることができました。
 多元的なゆえに可視化しにくい“緑の機能”“緑の価値”から、最も単純な要素のみを切り出し、“体感”という理論理解に勝る方法を用いて、これまで緑に興味のなかった人にも“緑の価値”を伝える方法を教授頂き、日常“緑の価値”をどう市民に伝えたらよいか苦慮している行政担当者にとっては、大変参考となるアイデア提供となりました。また、とかく全体計画から入りがちな行政によるまちづくりに対し、“個”の価値づくりからスタートし、連鎖的、持続発展的に広がるまちづくりの考え方は、多くの参加者にとって新鮮なものであり、今後の施策づくりなどの参考となるとの評価を多く得られる結果となりました。
 市民からの緑にまつわる様々な要望や苦情に対しどのように対応すべきか悩んでいる緑行政担当者にとって、今回の基調講演は、市民との係わり方のヒントとはなりましたが、今回の成果だけで問題は解決できるものではありません。今回のアンケート結果などを参考にしつつ、市民・企業を巻き込んだ緑のまちづくりの推進方策を更に検討し、具体的なプログラムとして展開していくしていきたい考えております。〔(財)都市緑化基金・SEGES事務局〕



以上